2008年1月号

T.繊維学会誌、繊維機械学会誌等に2007年12月号で掲載された化学繊維素材の紹介記事

1.繊維学会誌

  繊維構造の形成機構と高性能繊維の開発 鞠谷雄士 繊維と工業 Vol.63,No12,(2007)  p417〜422

標題について、1繊維構造形成機構の基本概念、2流動場におけるシシカバブ構造の形成を通じた繊維構造形成、3溶融紡糸過程における分子配向および結晶化のオンライン計測、4延伸過程における繊維構造形成、5結晶性ポリマーの延伸過程における分子運動性とその制御、6高性能繊維の開発として解説している。
内容は、11月号付録と重複するため省略。


  溶融紡糸型ナノファイバーの開発  越智 隆志 繊維と工業 Vol.63,No12,(2007)  p423〜425

溶融紡糸によるナノファイバー製造技術として、ポリマーブレンド紡糸が以下の理由で有力である。
繊維の極細化技術
  紡糸 極細化 紡糸性 製品多様性 安全・環境 設備
複合紡糸(海島・割繊) 溶融 × △〜○
ポリマーブレンド紡糸 溶融 ×
メルトブロー紡糸 溶融 × ×
フラッシュ紡糸 溶融 × × ×
エレクトロスピニング 溶融 × × ×

しかし、紡糸性を向上させる技術開発が必要である。ポリマーブレンド紡糸の低い紡糸性は、広いポリマーブレンド界面に由来すると考えられるが、ナノファィバーを得るために島ポリマーをナノ分散させるとポリマーブレンド界面がますます広くなる。口金孔内での流動や糸の細化過程を厳密に制御することによりナノ分散しながらも工業化可能な紡糸性を達成することができた。紡糸延伸過程で配向結晶化をきちんと進めることで力学特性や耐熱性にも優れたナノファイバーが得られる。  溶融紡糸ナノファイバー製品形態の多様性、ナノファイバーの特性と応用についても紹介している。


  日清紡績繊維事業の主要技術について 河田 直彦、高森 健彰 繊維と工業 Vol.63,No12,(2007) p426〜428

綿の形態安定加工と液体アンモニア処理技術を用いた1ニューコットンの登場とE/Cパーマネントプレス加工、2スーパーソフト加工、3形態安定シャツSSPについて解説している。  

液体アンモニアの綿繊維への処理効果
 液体アンモニア処理による綿繊維の変化
  • 断面が丸くなり中空部分が小さくなる。
  • ねじれがなくなり滑らかになる。
  • フィブリルの配列が整頓され間隔が平均化される。
  • 結晶化度が下がる。
  • 結晶構造がやや疎な形に変わる。
 液体アンモニア処理の布地に与える効果
  • 縮み難くなる。
  • しわになり難くなる。
  • 繊維一本、一本の反発性が増す。
  • やわらかくなる(繰り返し洗濯後もソフトなまま)
  • 強くなる。

2.繊維機械学会誌

繊維リサイクルと環境対応 繊維機械学会誌 Vol.60,No.12(2007)
  「エコドリーム計画」と繊維リサイクル 大橋 庸二 p657〜663

「エコドリーム計画」とは、繊維以外の製品販売を含めた環境配慮型製品の売上高を2010年までに2005年の1,530億円に対比して倍増する計画である。これに関連する、東レの環境配慮型製品、東レの繊維リサイクルの取組を紹介している。後者の具体的な取組例として、ナイロン6のマテリアルリサイクル、ナイロン6ケミカルリサイクル、ポリエステルマテリアルリサイクル、サーマルリサイクルについて紹介している。


  繊維廃材の固形燃料化 真下 美紀、八田 誠治 p665〜668

繊維廃材を固形燃料化してサーマルリサイクルとして利用する。特に廃棄布団わた由来の高付加価値固形燃料を開発した。これを陶磁器の焼成に用いられる薪の代替品としての検討を行った。


  マットフォーマーUと繊維リサイクル p669〜672

池上機械では、不織布やカーペットなどの製造工程で発生した工程屑を繊維に戻すための機械「リサイクラー」を開発している。リサイクラーは、表面に刃の付いたローラーが高速回転し端材などを引きちぎり繊維にほぐしていく。長い繊維として回収した場合には、カード機にかけることができる。極短繊維になった場合に再利用(マット状に形成される)するために開発した機械が「マットフォーマーU」である。


  繊維強化プラスチックの動向とリサイクル 佐野 慶一郎、他 p673〜675

FRPリサイクルの技術動向を解説している。FRPには、炭素繊維強化プラスチック、天然繊維強化プラスチック、なども含まれる。
リサイクル手段として、1セメントキルンやサーマルリサイクル、2廃食用油分解によるケミカルリサイクル、3亜臨界水分解によるケミカルリサイクル、4常圧溶解法による繊維リサイクル、などがあり、これらの概要を紹介している。また、今後、開発が進むCFRP製自動車のリサイクルについても紹介している。
4は、触媒にリン酸三カリウム、溶媒にベンジルアルコールを用い、FRPを常圧下で200℃約10時間で溶解し、ガラス繊維、フィラー、樹脂などに分離するものである。CFRP製自動車のリサイクルは、CFRP破砕物を自動車部材へ再加工することの可能性、CFRP複合物を容易に解体する方法などが検討されている。


U.化繊協会加盟会社の直近1カ月の特許出願状況 (12月公開分)

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