2008年7月号

T.繊維学会誌、繊維機械学会誌等に2008年6月号で掲載された化学繊維素材の紹介記事

1.繊維学会誌

特集<調和と発展を目指したファイバーへ T> 繊維と工業 Vol.64,No.6,(2008)  p.162〜p.188
   安全安心快適な社会を実現するウエアラブル 板生 清 p.162〜p.166

ウエラブルとは何か(服のように着たり、メガネや入れ歯のように身に着けたり出来、意識しないでも別の作業をしながらでも使えるIT)、ウエラブルファッションと総覧(180年代に登場したITスニーカー、2プレーヤーや携帯電話が内臓されたジャケット、3服に液晶ディスプレィを組みこむ、)、ファッショナブルなデバイスとは、ウエラブルファッションの将来像(1ITを衣服にする技術、2IT服で何が出来るか…冷暖房衣服の開発)などについて解説している。


   日本技術を活かす次世代宇宙服を目指して 小田原 修 p.167〜p.172

宇宙服開発の意義、実用化されている宇宙服、宇宙服開発での技術的課題、宇宙服に要求される基本的要素、次世代宇宙服の開発指針、取り組み事例−おりがみ技術との調和などについて解説している。

表 米国とロシアの宇宙服の比較
項 目 米国 EMU ロシア ORLAN
宇宙服の運用開始 1998年 1997年
運用圧力 0.3気圧 0.4気圧
プレブリーズ時間 シャトル:12時間以上
国際宇宙ステーション:4時間
30分
寸法(身長×胸囲)(cm) 141-184×85-115 164-190×96-112
重量(kg) 125-140 112
宇宙服本体 一部剛構造、胴体部から着用、
着脱に補助者が必要
(素材:ナイロン、カプトンなど)
一部剛構造、背面から着用、
着脱は一人で可能
(素材:ナイロン、ポリエステルなど)
柔軟性・機動性 平板関節、ベアリング構造、
個人別の手袋
平板関節、ベアリング構造、
個人別の手袋
ひじの曲げトルク:2.8Nm ひじの曲げトルク:5.7Nm
寸法調整 サイズ調整リング
縦方向は紐で調整
調節可能な一つの標準サイズ
人体保護機能 耐真空、断熱性、微粒子衝突、
化学的汚染防護機能
耐真空、断熱性、微粒子衝突
被爆線量管理 被爆線量管理
生理的機能・快適性 服内部の温湿度調整、臭気除去、排泄処理、水・食料の供給 服内部の温湿度調整、臭気除去、排泄処理
安全性・信頼性 高信頼性部品、一部二重安全性、2次系酸素ボンベ、耐磨耗、耐食性材料、有害物質の排出無し、火災安全性 2重バイザー、2重圧力服、2重機密構造、バックアップ酸素、耐磨耗、耐食性材料、有害物質の排出無し、火災安全性


   南極観測隊装備ウエアの開発 伊豆原月絵 p.173〜p.177

1軽量で保温性があり、透湿防水性、蒸散拡散性、帯電防止効果の機能が高い繊維により、南極観測隊員の開発ウエアーが完成した。
2極地の調査における動作を調査し、人間工学および人体解剖学を基に衣服設計を行い、動作に適した、機能的なウエアを設計した。
3「座る・屈む」動作も多いことから、胴体部分は「ゆとり量」を3倍に設計し、ジャケット丈を長くした。
4「ゆとり量」が多いと、もたつき感があり、動き難いが、被服構成を円筒形にして解決した。
5身体に負担がかからないよう軽量化を図った結果、既存のウエアの総量は3500gであったが、開発ウエアは860gになった。
6南極装備ウエアは意匠登録申請したことで、産学協同事業の成果になった。


   フィット性向上を目指したスポーツシューズ設 p.178〜p.183

フィット性とは、非接触型ひずみ分布測定手法、フィット性定量化、ランニングシューズ実設計例について解説している。繊維部材であるアッパーに着目し、フィット性を向上させることを目的に、非接触型ひずみ分布測定装置を基にフィッテイングパラメーターを用いた定量化手法を提案し、その妥当性を議論するとともに、実設計例について紹介した。


   法科学における繊維鑑定p.184〜p.188

微細証拠物としての繊維の検査方法を紹介している。形態検査(実体顕微鏡、生物顕微鏡、蛍光顕微鏡など)、色調検査(顕微分光光度計で可視部吸収スペクトルを測定し、比較対象繊維と同色かの判定を行う)、材質検査(顕微FT-IRなど)。


2.繊維機械学会誌

繊維機械学会誌 Vol.61,No.6.(2008)
   天然繊維の新しい紡績 −亜熱帯植物繊維を原料とした紡績糸および織物の評価− 山田博夫 p.405〜p.410

繊維化する植物原料として、ハイビスカス、オクラについて、麻と同じような手法で靭皮部の繊維を採取し、カーデイングし、綿繊維などと混紡(ハイビスカスまたはオクラ繊維が30%程度含む)した。 強伸度特性は、綿100%とほぼ同じ、吸湿性は綿より優れる(特にハイビスカス)、染色性も高い、などの性能がある。
今後の技術課題は、1さらに細くする解繊技術の向上、2同繊維が持つ固有の性能の探索などである。


  Natural Easy Care 自然力アップの洗えるウール 大橋一宏 p.425〜p.427

原毛、紡績、製布、仕上げの工程における要素技術を見直し、ウオッシャブル性能に効果的な原毛、糸と織物の設計、製布、染色、整理工程の条件をセレクトし家庭洗濯が可能で環境にも優しいウール100%のウオッシャブル素材の開発を行った。


シリーズ化合繊の基礎と最新の技術

本シリーズは本学会で実施しているテキスタイルカレッジ講座のカリキュラムを順次紹介するシリーズである。


  再生繊維 中島 千恵 p.429〜p.440

再生繊維の知識として、ビスコースレーヨン(工業の歴史、製造方法、特殊レーヨン、原糸の性質)、銅アンモニアレーヨン(製造方法、原糸および布帛の性能)、精製セルロース(製造方法、繊維の特性、繊維の特性を活かした商品展開)について解説している。


U.化繊協会加盟会社の直近1カ月の特許出願状況 (2008年6月公開分)

PDFファイルをご覧ください(514KB)

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