2008年8月号

T.繊維学会誌、繊維機械学会誌等に2008年7月号で掲載された化学繊維素材の紹介記事

1.繊維学会誌

特集<調和と発展を目指したファイバーへ U> 繊維と工業 Vol.64,No.7,(2008)
p214〜p241
 材料が変えるスポーツのパフォーマンス  宇治橋 貞行 p220〜p223

スポーツのハードウエアーとその変遷がパフォーマンスに与える影響を概観し、新しい素材導入による用具性能向上について記述している、テニスラケット、ゴルフ、陸上競技などにおけるCFRPに代表される複合材料の利用によりパフォーマンスがアップした。


 環境・安全・健康に貢献する中空糸型分離膜の開発 有地 章浩 p224〜p228

相分離法による中空糸膜製膜、中空糸膜製膜の実際、適用事例について解説している。乾湿式法による中空糸製膜装置は下図の通り。均一に溶解された製膜原液は、紡糸ノズルから吐出され、エアーギャップを経て凝固浴中に導かれる。続いて水洗工程を経て、巻き取られるが、この後、さらに熱水等によるアニール処理を行う場合がある。紡糸ノズルはC型ノズルや二重管ノズルがよく用いられるが、特に後者は内部凝固液を同時に吐出されることで、中空糸膜内の表面の構造をも制御することができる利点がある。一方、空走部では、中空糸外表面から溶剤を揮発させることにより、外表面のポリマー濃度を高め、より緻密で非対称性の高い中空糸膜を形成することも出来る。三菱レイヨンが検討した、三酢酸セルロース、ポリエーテルスルホン、ポリフッ化ビニリデン製の中空糸膜の製法とその構造、特徴について紹介している。

図1

中空糸膜の適用事例は、海水淡水化用逆浸透膜、浄水向け限外ろ過膜、血液透析膜などがある。


 高分子材料の耐久性−劣化解析・耐久性評価・寿命予測−  p229〜p237

反毛原料、反毛の歴史、廻切反毛、ガーネット反毛について解説している。反毛の生産量は、年々減少しており、廻切反毛、ガーネット反毛の1981年度生産量と2007年度生産量は、57,676トン、8,454トン→29,916トン、3,996トンと半減している。用途は、廻切反毛がフェルト用が82.2%、糸用が7.7%である。ガーネット反毛は、フェルト用が81.6%、製綿用は5.4%である。フェルトの主な用途は、自動車が67%である。


2.繊維機械学会誌

特集<エレクトロスピニング法の応用展開>
繊維機械学会誌 Vol.61,No.7(2008) p479〜p501
 電界紡糸による機能性不織布の 宇山 浩 p481〜p486

電界紡糸による機能性不織布のバイオマテリアルへの応用(ゼラチン、ポリ乳酸複合ナノファイバーの利用)、アレルゲン不活性化物質を不織布に担持したシート(空気清浄機用フィルター)、分解性を評価するシステムへの利用、について解説している。また、電界紡糸によるアクリル樹脂不織布シートの特異な変形現象を紹介している。


 エレクトロスピニング法により作成されるファイバーの骨再生および遺伝子導入用基材としての検討
境 慎司、山口 哲、川上 幸衝 p487〜p491

シリカファイバーの骨再生用の担体としての可能性ファイバーを利用した動物細胞への遺伝子導入について解説している。


 エレクトロスピニング法・ナノファイバーの応用展開 三好 孝則 p492〜p496

有害化学物質分解除去用ナノファイバーの開発として、光触媒を担持させたナノファイバー不織布、セラミックナノファイバーの開発例を紹介している。


 エレクトロスピニングの新製法によるナノファイバー不織布の量産化 岸本 吉則 p497〜501

筆者の会社では、紡糸ノズルを使用しない新しいエレクトロスピニング製法に取り組んでいる。高分子溶液全体の表面からポリマージェットが放出される。また、ポリマージェットが放出される紡糸部分をユニット化し、これを多数配置することにより、マルチユニット化が可能となり、紡糸量を増加させ、また幅方向の塗布量の均一性も向上した。同製法によるビニロンナノファイバーを従来のビニロン短繊維を用いた湿式不織布上に積層させた複合素材を開発した。新製法により耐水性PVAナノファイバー不織布の量産化が可能となった。


シリーズ化合繊の基礎と最新の技術

 本シリーズは本学会で実施しているテキスタイルカレッジ講座のカリキュラムを順次紹介するシリーズである。


 特化化合繊素材の開発動向−その狙い、技術と評価法− 原田 隆司 p512〜522

1970年代後半から現在に至るまで脈々と開発が続けられた化合繊の衣料用特化素材について、その狙い、技術と評価方法を紹介している。商品の構成要素、新商品開発とは、特化素材(合繊)の主な要素技術、感性素材、快適性素材、清潔素材、安全・安心素材、衣服の感性・快適性に関する評価方法、消費者の購入意識変化とこれからの開発の方向


 天然植物繊維の内部で高機能無機物を作る−その機能と応用展開−  杉山 公寿 p503〜p506

綿繊維をアルカリ水溶液中で膨潤させ、それにより出来たセルロース高分子結晶構造の隙間に大量のゼオライトを合成する技術「セルガイア」を紹介している。セルガイアは、抗菌性、消臭性能などを付与することが可能となる。


 高速製糸用設備装置の開発(その1)−高速トラバース装置−   p507〜p511

ポリエステル繊維製造装置のうち、ポリマーが口金から吐出され、冷却されて糸となる、それ以後の巻き取りまでの工程について、筆者の業務経験談を記述している。糸パッケージの構成メカニズム、フリーレングス(トラバースガイドとパッケージ上への着地点までの距離)とパッケージ形成について詳述している。


U.化繊協会加盟会社の直近1カ月の特許出願状況 (2008年7月公開分)

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