2008年12月号

T.繊維学会誌、繊維機械学会誌等に2008年11月号で掲載された化学繊維素材の紹介記事

1.繊維学会誌

特集 バイオベースプラスチックの創生とナノ構造制御と高機能化 繊維と工業Vol.64,No11(2008) p360〜p380

 バイオベースプラスチックのナノ構造制御と高機能  井上 義夫 p360〜p364

代表的なバイオプラスチックは、ポリ乳酸、ポリコハク酸ブチレン、ポリヒドロキシ酪酸などがある。バイオベース共重合体、バイオベースポリマーブレンド、組成/機能傾斜高分子複合材料(2組成が界面で傾斜的に複合されている)について触れ、機能性向上手段として物理架橋を解説し、さらに機能性と結晶多形、ナノ結晶核剤について言及している。


 バイオプラスチック生産のための微生物工場  山田 美和、松本 謙一郎、田口 精一  p365〜370

バイオプラスチックとしてPHA(ポリヒドロキシルアルカン酸)を例に、合成プロセスと微生物工場及びその利用技術、進化型重合酵素でポリマーの生産性と物性を向上、新規PHAの微生物生産、実用生物工場におけるPHA生産を紹介している。

■バイオプラスチックの合成プロセス
図1

■微生物工場におけるPHA生産過程
図2


 バイオプラスチックをめぐる最近の動向  猪股 勲  p371〜376

バイオプラスチックの供給の新しい動き(ポリ乳酸は、ネイチャーワークスに加えて、昨年より生産を開始した中国の浙江海正生物材料の5000トンプラントの10,000トン増設、2008年より供給を開始したピューラック社のタイでの10万トンの乳酸を原料とするポリ乳酸計画がある。ポリ乳酸以外では、2008年12月供給開始するCelles社のPHA「ミレル」年産5万トンプラントスタートが大きな話題である。バイオプラスチックの技術的改良の現状、社会的意義、識別表示制度(バイオプラスチックの定義とポジティブリスト方式による材料の明示など)、製品の最近の商品化事例、今後の方向などを紹介している。


 可逆反応を利用したバイオベース高分子の高機能化  吉江 尚子 p377〜380

バイオベースポリマー(BBP)の開発として、両末端に反応性を持たせたプレポリマー(テレケリックス)とリンカーを可逆反応により結合し、得られたネットワーク高分子の材料特性を研究している。この高分子では、逆反応によって反応前のプレポリマーとリンカーに戻すことが容易に戻すことが可能である(易リサイクル性)。また、最近、結晶性のプレポリマーを用いた場合、全く同一のプレポリマーとリンカーの組み合わせから、機械的性質の異なる硬質/軟質の2種類の材料を作りわけ可能であることを見出した。易リサイクル性高分子の分子設計、Diels-Alder反応を利用した易リサイクル性バイオベース高分子の合成とリサイクル性の評価、結晶化と架橋の時間差を利用した物性変換について解説している。


 機能性色素の耐光性改善  織田 博則 p381〜p385

機能性色素の耐光性改善を概説している。カラーフォーマーの種類と発色形態、感熱記録用色素、感熱記録用色素の耐光性に及ぼす対イオン効果、耐光性に及ぼす両性対イオン効果、感熱記録紙の記録安定性、紫外線吸収機能を有する耐光性改善例などに分けて解説している。



2.繊維機械学会誌

未来社会に向けて−先端繊維技術に期待、こんなもの、こんな製品あったらいいだろうな!
中村 信 繊維機械学会誌 Vol.61,No11(2008) p729〜p736

こんなもの、こんな製品あったらいいだろうな!として、大気や室内空気中の有害物、VOCさらに臭い分子やCO2分子も選別捕集、分離可能なナノファイバーや膜によるフィルター、大気中に廃棄されている膨大な廃熱で発電できる布帛・繊維(熱・電気変換繊維)、植物性繊維製の自動車構造体や家電製品筐体、イナバウアーのできる摩擦力が著しく小さなシートや布帛−氷が無くても、何時でも何処でも、体育館や講堂がスケートリンクに変身!靴のソリ形状は材料も組み合わせで調整、火種が接近すると瞬時にその火種を吹き消す−消化する−布帛や職布−消化ガスを封入したマイクロカプセルを織り込んだり、布表面にコーティングしたシート、フィルム、布帛や職布−、ファイバーからたとえば肌着やシャツまで一気に成形加工可能な繊維製品製造法−種々の機能性ファイバーを型表面に順次積層吹き付け−吸引・交絡させ−最終製品に成形が可能、のアイデアを紹介している。


 エ衣料用特化繊維−原糸の展望− 松雄 達樹 p737〜p746

衣料用特化繊維をレビューしている。衣料用特化繊維の全般的考察、視覚感性に関する特化繊維、触覚感性に関する特化繊維、衣服内気候に関する特化繊維、諸・機能性の特化繊維、特化繊維の今後の展望。


 化合繊各社の3Rへの取り組み状況と今後の方向 大橋 庸二 p747〜p753

日本化学繊維協会・合繊リサイクル専門委員会の活動を紹介している。はじめに繊維製品のマテリアルフローについて説明し、化合繊工場で発生する繊維屑の減量化・リサイクルへの取り組みと繊維製品リサイクルへの取り組み、化合繊各社のリサイクルの取り組みなどの状況を紹介している。また、繊維リサイクル推進上の課題として、廃棄物処理法における課題、グリーン購入法やエコマーク制度など各種推進制度における課題、コストなどについて触れ、東レとしての対応や生分解性繊維の開発など再生原料の利用について紹介している。


製品紹介

 −ベッドカバー編地への展開−V-LEC4DSI“フローとステッチコントロール”の開発
大西 康司、山岡 高志、武内 俊次 p754〜p758

福原精機製作所鰍フ丸編機でベッドカバー用の新機種を紹介している。


 −スポーツ・インナーウエアにおける機能繊維  出口 潤子 p759〜762
旭化成せんい鰍フスポーツ・インナーウエア用機能繊維として、吸湿性素材(ベンベルグ、ロイカBZ)、吸汗・速乾性素材(テクノファイン)、清涼性(ツインエア)、保温性(サーモギア)、消臭・抗菌性(ロイカCF、抗菌テクノファイン)、伸縮性・パワー(ロイカHS他)、肌触り・肌への優しさ(ベンベルグFF)などを紹介している。


U.化繊協会加盟会社の直近1カ月の特許出願状況 (2008年11月公開分)

PDFファイルをご覧ください(599KB)

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