2009年1月号

T.繊維学会誌、繊維機械学会誌等に2008年12月号で掲載された化学繊維素材の紹介記事

1.繊維学会誌

特集 快適性 繊維と工業 Vol.64,No.12(2008) p409〜p427


 快適性の追求と進化 小澤 七洋、渡辺 征之 p409〜p413

肌着を例に「風合と快適性」、「窮屈度と快適性」、「ムレ感と快適性」、「快適性の進化」、「衣服内を快適にコントロールする」などについて説明し、また、同社(グンゼ)の「水だけで洗える肌着」(綿をナノレベルで改質し、親水性を向上)を紹介している。


 睡眠と寝具の快適性   中村 勉 p414〜p418

睡眠と脳の働き、睡眠と寝具の役割(掛け寝具:保温性と吸放湿性、敷き寝具:寝姿勢と体圧分散、枕:首を支持するシステム)、について解説し、同社(西川産業)の暑熱対応の寝具(冷却枕、繊維構造体(立体構造)、送風タイプ(エアーサイクロン))を紹介している。


 被服圧から見た快適性 三野 たまき p419〜p423

液圧平衡方式による被服圧計測システム及び同システムを用いた応用例として腹部をベルトで締めた時の人体の変化を解説している。同システムは、これまでの柔らかいセンサー(バルーン法)及び硬いセンサー(ひずみ計素子圧力センサー)の欠点を補う方法である。


 衣服内気候と快適性 前田 亜紀子 p424〜p427

野外活動用外衣の衣服衛生学的研究(雨天での透湿防水素材と非透湿防水素材の比較検討)、及び濡れた衣服の体温調節反応への影響(濡れた衣服の体温調節反応への影響)について研究成果を報告している。


 繊維学会・技術賞
 心理・生理快適性素材「メンタルバランス」の開発

石丸 園子、古谷 哲朗、宮島 光生、浜口 雄二 p436〜p439

心理・生理計測技術により同社(東洋紡績)が開発したメンタルバランス生地の技術内容を紹介している。リラックスしやすい感触の着用試験による要因分析の結果、「ふんわり感」「しっとりやわらか感」と相関があることがわかった。KESによる物性に落とし込み、「ふんわり感」「しっとりやわらか感」のある紡績糸を開発した。この紡績糸を用い、レディスアンダーウエアなどを商品化した。


 “ナノマトリックス”加工技術製品の拡大  桑原 厚司 p440〜p443

ナノ加工の草分け的な同社(東レ)のナノマトリックス加工技術の概要、同加工の特徴(繊維一本づつに皮膜を形成させる)、同加工による機能性素材の展開(1単一層皮膜による加工、2多層積層皮膜による加工、3モザイク型皮膜による加工、4ナノコンポジット皮膜による加工について紹介している。


 “異染性複合繊維素材「ミクシカ」の開発   山本 篤 p444〜p447

同社(三菱レイヨン)のアセテート系異染性複合繊維素材「ミクシカ」の製造技術、新たな異染性を表現するテキスタイルの開発について紹介している。 ミクシカの製造技術は、細繊度ジアセテート長繊維の製造(下図)、ジアセテートのセルロース化(布帛になった段階でアルカリでジアセテートのみ脱アセチル化して、セルロースにすると同時に減量(40%)する。これにより細繊度の繊維が得られる。)などの技術で構成されている。


図1

2.繊維機械学会誌

繊維機械学会誌 Vol.61,No.12(2008)
ゾル・ゲル法による繊維及び樹脂の高機能化に関する研究 萩原 隆 p803〜p808

ゾル・ゲル法とは、種々の金属の有機・無機化合物の溶液から出発し、溶液中での加水分解、重合によって生成した酸化物または水酸化物のゾルをさらに反応を進ませてゲル化させ、出来た多孔質のゲルを加熱して非晶質ガラスまたは他結晶体を作るプロセスである。繊維へのコーティングでは、アルミナセラミックスの前駆体をコーティングする。ガラス繊維にアルミナ前駆体コーテイングを行い、アルカリシリカ反応に対する耐久性とガラス繊維強化コンクリートの補強効果について検討した。PP繊維はアルカリに強くコンクリート補強繊維に適しているがコンクリートとの親和性に劣る。PP繊維にアルミニウムのゾル・ゲルコーテイングを行い機械特性を調べた。また、アルミニウムと炭素繊維の複合材料や耐摩耗性ポリエステル繊維について検討した。ポリエステル繊維にアルミニウムコーテイングすることにより耐摩耗性が向上した。


 テキスタイルセンサーの開発 増田 敦士、村上 哲彦、近藤 幸治 p809〜p814−

圧力を検知するテキスタイルセンサーとして、同所(福井県工業技術センター)にて開発した、織物多層構造体の圧縮特性を利用して圧力を検知するテキスタイルセンサーについて解説している。構造は、多層構造物の上部、下部に導電性繊維を交錯させ、かつ接触させないように配置する。圧力を検知する原理は、空間がつぶれ上下の導電糸が接触し、電気回路上の電気信号の変化が生じてこれをモニターで検知する。導電糸は、金属繊維は伸縮性が低いため、芯糸に繊維構造体と同一(ポリエステルマルチフィラメント)、カバリング糸に銅線を用いたダブルカバード糸を開発した。同センサーを用いて、圧力検知機能、耐久性などを評価し、防水加工、センサーの応答機能などを検討した。車椅子用着座センサー、来場者カウントシステムなどに適用実験を行った。


 環境有害物質の規制動向と分析法 中島 陽一、林 寛一 p815〜p819

EUの化学品などの有害物質規制として、電気・電子機器に対して、WEEE指令とRoHS指令とがある。RoHS指令で規制している有害化学物質は、カドミウム、鉛、水銀、6価クロム、PBB、PBDEの6物質で、それぞれ閾値が規定されている。この6物質の測定方法について詳述している。


 繊維及び機械の技術はいかにして創出されたか 紡糸理論(1960〜1970年代) p827〜p830

溶融紡糸の基礎理論の創出とその展開、溶融紡糸技術への応用例(紡糸冷却装置の開発、非対称冷却による立体捲縮中空繊維わたの開発)、乾式紡糸の基礎理論、1960〜1970年代の紡糸理論研究の意義などについて論じている。 


U.化繊協会加盟会社の直近1カ月の特許出願状況 (2008年12月公開分)

PDFファイルをご覧ください(678KB)

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