2009年5月号

T.繊維学会誌、繊維機械学会誌等に2009年4月号で掲載された化学繊維素材の紹介記事

1.繊維学会誌 繊維と工業 Vol.65,No.4(2009)

 木タールから繊維炭素材料の開発 吉田 大、石澤 真也、吉田 孝 p125〜p129

木タールは、炭焼きなどの木材乾留の際に出る液状物であり、リグニンやセルロースなどの分解性生物である。従って低分子量物が多く含まれるが、木材よりも炭素は濃縮されており、再生産可能な植物由来の炭素源として有効と考えられる。木タールを原料とした炭素繊維、導電性炭素繊維材料の開発を行った。最初にTHFで可溶部分をろ過し濃縮して木タール原料とし、オートクレープで加熱・減圧して木タールピッチに変換した。木タールピッチは加熱により溶融し炭化しない。このピッチを溶融紡糸して繊維化する。このピッチ繊維を硝酸で繊維表面を酸化させ不融化処理を行い、高温で焼成する。はじめに800℃で焼成し、次いで2000℃で焼成して炭素繊維とする。


 ジュラコン繊維 大川 秀俊 p134〜p137

ジュラコンは、ポリプラスチック鰍ェ製造・販売しているポリアセタール樹脂の商標である。ジュラコン繊維と主要繊維との特性比較は、下表の通りで、高強度、高伸張回復、低摩擦係数、耐アルカリ性の特徴がある。ジュラコン繊維の加工形態は、マルチ&モノフィラメント、ステープル、乾式不織布、湿式不織布、ニット、糸、組ひもである。


  ジュラコン繊維 ポリエステル
強度(GPa) 0.69〜1.39 0.54〜0.80
強度(cN/dtex) 5〜10 3.8〜5.5
伸度(%) 10〜50 20〜32
公定水分率(%) 0.4
飽和吸水率(%) 0.2
比重 1.41 1.38
伸長弾性率(20%伸長時)(%) 79 145
耐酸性 ×
耐アルカリ性 ×
耐加水分解性 ×
耐熱水性 ×

2.繊維機械学会誌 Vol.62,No.4(2009)

特集 特集 ナノファイバー研究の最新動向(その1)


 静電インクジェット現象とそのマイクロ加工への応用 川本 広行 p221〜p225

静電力によってノズルから微小液滴を吐出する静電インクジェット技術の応用に関する研究を紹介している。同技術は、高粘性のペースト状の液体でも吐出でき ること、条件によってはスプレー状の吐出も可能であることなどの特徴がある。 実験装置は、右図の通りである。
マイクロ加工への応用分野として、@プリンタへの応用、A電子回路描画、Aマイクロ成膜、C3次元マイクロ造形、Bなどの適用例について紹介している。

図1


 機能性ナノファーバーの作製 川上 浩良 p227〜p232

エレクトロスピニングにおいて、任意の方向へナノファイバーを配列することが出 来る新しいコレクターを作製した(下図参照)。同装置を用いて、一方向性ナノファイバー膜、二方向性ナノファイバー膜、プロトン伝導性ナノファイバー膜を作製することが出来た。

図2

 ナノスケール」加工技術 衡田 正行、p233〜p237

東レの「ナノスケール加工技術」として、「ナノマトリックス加工技術(布を構成する繊維1本1本に10〜数百nmの皮膜を形成する)」「ナノブレム加工技術(繊維表面を高エネルギー照射や化学処理などで活性化させ、官能基導入などを行う)」「ナノラメラ加工技術(複数の機能材料をナノレベルでモルフォロジー制御により混合する)」「ナノモディ加工技術(自己拡散内部反応により繊維内部の分子レベルまで改質する技術)」と、その応用製品について紹介している。


 ベトナム繊維リサイクル・環境政策調査事業報告 木村 照夫 他、p238〜p253

昨年11月に繊維機械学会「繊維リサイクル技術研究会」でベトナムの環境政策を調査した結果を紹介している。


 「シリーズ「繊維および機械の技術はいかにして創出されたか(第7回)」
 「快適性」研究(1980年代初頭)
 原田 隆司 p259〜p262

1970年代までの被服衛生学としての研究、1981年の被服科学総論(下巻)−被服機能」の刊行、1981年、82年の着心地に関する2つの学会誌特集号・講演会、新しい研究手法(温熱生理学と感覚計測技術)、その後の「快適性」研究の状況を紹介している。


U.化繊協会加盟会社の直近1カ月の特許出願状況 (2008年4月公開分)

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