鈴寅は、スパッタリング技術を繊維に適用している日本で唯一の企業である。スパタリング技術とは、技術導入の経緯、スパタリング装置、ターゲット及びカソード、金属材料、反応性スパッタリング技術、金属と金属酸化物の組合せ技術などについて解説している。
スパッタリング技術とは、真空中に不活性ガス(主にArガス)を導入しながら基盤とターゲット(成膜させる物質、Cr・Tiなど)間に直流高電圧を印加し、イオン化したArをターゲットに衝突させて、はじき飛ばされたターゲット物質を基盤に成膜させる方法である。
図にスパッタリング装置の概略を示す。
まず布を巻き出し側に装着し、スパッタリングカソードに電力を投入し、Arガスを加えて、布を連続的に巻き取り側に移動させながらスパッタリング加工を行う。
薄膜を形成する際の原料となる材料である。
「ターゲット」については、通常非磁性金属を用いる。
材料となる金属の表面上に、図のように磁束を作り、このターゲット面上の磁束をAr+イオンが横切ったときに、フレミングの法則でAr+イオンが加速され、電極間の電圧に比例して、例えば500ボルトの電圧であればAr+イオンは、500エレクトロンボルトと非常に大きな運動エネルギーが付加され、Ar原糸がターゲットに激突して、ターゲット金属をはじき飛ばす。 |