2007年12月号

T.繊維学会誌、繊維機械学会誌等に2007年11月号で掲載された化学繊維素材の紹介記事

1.繊維学会誌

特集 国際ナノファイバーシンポジウム 繊維と工業 Vol.63,No11,(2007)
 
 高性能カーボンナノチューブ繊維の連続紡糸:構造制御と物性 A.ウインドル・K.コジオル p361〜364

カーボンナノチューブ(CNT)の機械的性質、CNT繊維の製造法、CNT繊維の構造、CNT繊維の機械的性質について解説している。CNT繊維の製造は、下図に示す通り、1100〜1400℃の容器中に炭化水素としてエタノールまたはヘキサンを、触媒としてフェロセン及びチオフェンを供給する。さらに単体ガスとして水素を炉中に噴射する。炉中のナノチューブの集合体がナノチューブスモークまたはエアロゲルと呼ばれる。ナノチューブスモークのアスペクト比は10万というオーダーになる。これがソックスのような形で反応炉の下の方に徐々に降下してくる。そこで引き出して巻き取りを行う。


  電界紡糸ファイバーにおける構造発現 G.ラトリッジ p365〜369

電界紡糸のメカニズム解析、超撥水性ファイバー、内部構造について解説している。超撥水性はロータス効果によるもので、蓮の葉の表面を人工的に作り出すものである。電界紡糸により創製した超撥水性のメンブレンの表面は、蓮の葉構造をよく模倣している。表面相分離によりPDMS(ポリジメチルシロキサン)が表面のほうに行くことによって疎水性になる。


  健康と環境のためのナノファイバー技術…遺伝子デリバリーと水浄化 B.チュー p370〜375

遺伝子デリバリー及び水浄化の二つのプロジェクトについて紹介している。遺伝子デリバリーは、電界紡糸によるナノファイバーを利用したDNAのカプセル化やPLGAを用いた電界紡糸のスカフォールドの作成などであり、水浄化は、ナノファイバーフィルターやCNTを利用した水チャンエルの創製などである。


  生体医療用マイクロ及びナノファイバー  H.ブランク p376〜379

ITV(ドイツ・デンケンドルフ研究所)では、コーテイング、ラミネート、凝縮、プラズマ処理等の機能化技術を有している。大気圧下でのプラズマ処理装置などにより表面特性の改質(自己洗浄性付与など)を行っている。3つの構造を組み合わせた自己洗浄テキスタイルは、空気を保持するような織物構造で、その繊維は20μm程度のファイバーからなり、さらにその繊維にナノコーテイングを行うことにより、洗浄性に優れた織物が得られている。また、スチールのプレートを2枚組合せ、その間にテキスタイルを挿入すると非常に軽量で絶縁性にも優れる部材ができる。携帯電話用の部材や、繊維中にバクテリアを坦持させることにより排水処理に使える。
次ぎに、医療分野であるがスマートテキスタイルが研究されている。手術用のコーテイング製品の耐滅菌や寿命延長のためにナノファイバーの利用(これはコーテイングではなく、ナノファイバーでバクテリアの透過を防ぐ)である。さらに、テキスタイルと他の動物の細胞をハイブリッドさせた人工臓器の研究も行っている。


  カーボンナノチューブコンポジット繊維 P.プーラン p380〜383

CNTコンポジットファイバーの紡糸、コアギュレーションスピニング法によるCNT繊維の特性、CNTコンポジット繊維の応用について解説している。コアギュレーションスピニング法とは、下図に示すように、単層CNT(パウダー状)を高度に分散させ(音波処理など)流動しているポリマー溶液中に入れる。ポリマー鎖がCNTに吸着され、CNTが凝固されコンポジットファイバーが出来る。PVAを凝固剤として使うことにより縦方向の剪断があり延伸が可能となる。CNTの割合は15〜70wt%となる。



2.繊維機械学会誌
特集 綿の省エネ・低温染色加工技術 繊維機械学会誌 Vol.60,No.11(2007)

低温糊抜きへの道
  谷田 治 p599〜603

省エネのためのオスボンコールドブリーチ法
  北谷 正一 p605〜610

反応染料によるコールド」・パッド・バッチ染色
  今田 邦彦 p611〜618

綿の樹脂加工−低温キュアー加工
  角元 正人、高橋 浩臣 p619〜622

U.化繊協会加盟会社の直近1カ月の特許出願状況 (11月公開分)

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